ぽんたの日記

子の引き渡し審判、離婚裁判、面会交流調停などの裁判記録

第1回 子の引き渡し保全処分並びに本審判

 第1回期日の数日前に旦那に弁護士がついたとの連絡が入った。どうやら親のコネクションで紹介してもらったらしい。弁護士の話によると、こういった案件は父親側の弁護を引き受けたくないものだとの事だったので、引き受けた弁護士も仕方なくと言ったところだろうか。ネットで確認すると人権派の弁護士だった。急に決まったのか、第1回期日の参加は調整がつかないとのことで、我々のみの出廷となった。

前日の弁護士との打ち合わせ内容 

前日に弁護士と当日の打ち合わせを行った。

裁判所との問答は、裁判の尋問や取り調べのように詰問されたり糾弾される目的ではなく、事実関係を把握するだけのものなので、それほど身構える必要はない。聞かれたことに正直に答えれば良いので、NGワードもないとのこと。

少し安心した。以下は、当日の流れの予想。ちなみに、予想はあまり当たった試しがない。

  • 審理を担当する審判委員(男女2名)と裁判官(裁判官は立ち会わない可能性もあり)から、当方の申立書の内容や裁判所が関心をもった事実等について質問があるので、それに回答する。主に子どもが生まれた後の養育状況や、連れ去られた際やその前後の状況や やりとりについて、細かい質問をされる可能性があるので、返答する。
  •  審理の進め方や当方の要望を裁判所にアピールする。迅速に審理を進めて子どもを早く取り戻して自ら育てていきたい旨を自分の言葉で裁判所にも訴える。
  •  次回裁判期日の設定

 当日@裁判所

 受付にて申立人と代理人出廷の記録をし、申立人の待合室で待機した。裁判所は午前10時からなのか、時間になるにつれ待合室は人でいっぱいになった。老若男女の色んな人がいた。女性+弁護士が多い印象を受けた。

一人、一人と名前を呼ばれては居なくなり、満室だった待合室も自分が呼ばれる頃にはガラガラになっていった。自分の名前が呼ばれ、10人位が入れる広めの部屋へ案内された。中に入ると男性2人が既に控えており、我々はその向かいに着席した。しばらくして、裁判官が入室した。皆一同に立ち上がり会釈をした。着席し、裁判官が自己紹介をする。続いて、先に入室していた男性2人、書記官と調査官の紹介をした。

裁判官が申立内容を読み上げ、間違いないかと確認を行った。引き続き裁判官より手続きの不手際についての謝罪が入った(参考:裁判所の管轄と移送)。基本的には事実関係の説明が行われただけで、反省の弁は論じられなかったと記憶している。それに対して私は、「管轄などの詳しい事情は一般人にはわからない。1週間という時間は、待つ身にはとても長く辛かった。今後はこの様な事が起こらないようにして欲しい。」と訴えた。

相手方の反論も出ていないため詳細な事実確認もしようがなく、次回期日までの間に調査報告書を挙げる体で、1週間後に調査官調査を行うこととなった。

次回は調査報告書と相手からの反対書面そろうので、それで審理しましょうと言う事なのだろう。当日は30分程度で閉廷となった。

弁護士の見解と今後の準備

 第1回期日を終えての弁護士の見解は、先方からよほど当方の養育能力に問題があるような反証がなされない限り、当方に子を引き渡すとの心証を抱いているように思えたとのこと。次回までに、給与明細(直近3ヶ月分)と警察への相談記録、保育園の日誌を準備し、必要に応じて準備書面に盛り込む事となった。

次回は約1ヶ月後、連れ去りから2ヶ月が経つ頃であった。

 

 

 

裁判所の管轄と移送

どこの裁判所へ申し立てるかは、実は大変重要な問題である。
今回この件でひと悶着あったので紹介します。

管轄

裁判所にも管轄がある。裁判を行う場所は、基本的に相手方の所在地となっている。よって、旦那の所在地なる裁判所へ申立を行った。しかし、今回私が申し立てた「子の引き渡し審判並びに保全処分」は、子が争いの争点となるため、子の所在地が問題となった。
最初に申し立てた旦那側の裁判所では、子が相手方の所在地へ移動して間もないため、元の所在地へ移送すべきとの連絡が書記官よりあった。

移送

移送とは、管轄間を移動させることである。
民事訴訟の移送理由としては、①管轄違い、②遅滞を避けるため、③当事者間の同意の上での移送などが挙げられる。
今回は勿論①の管轄違いと言う事なのだが、いづれの場合も問題点は、時間が掛かると言うところである。弁護士の話だと移送に1ヶ月ぐらい掛かることもあるとのこと。

裁判所がここでは受け取れないと言うのだから、仕方なく裁判所を変更して、申し立てし直す事になった。さて、また委任状を書き、戸籍抄本を取り直す。これで1週間の時間が過ぎて行った。

結局どっち?

準備も整い裁判所も近くなったしラッキーと思う事にして戦う気満々でいたが、またしても、これは相手方所在の裁判所へ移送すべきとの指示を頂いた。

なんじゃそりー!!
どっちなんじゃー(# ゚Д゚)!

結局、裁判所間での話し合いで、仕方ねぇなぁこっちでやってやるよという感じで、最初に申し立てた裁判所で取り扱うことになったようだった。また元の裁判所へ怒りの申入書と共に改めて申し立てを行った。

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まさか裁判する場所でこんなに揉めるとは。申入書のお陰かは分からないが、期日が早急に設定され、この1週間後が人生で初めての出廷となった。
弁護士を雇っておいて良かった、裁判所も御役所だなぁと身に染みた出来事でした。

子の引き渡し審判申立書・審判前の保全処分申立書

⚠検索上位になるので、気紛れで閲覧不可にすることがあります。

連れ去りから2週間後、相手方管轄の家裁へ申立書を提出した。
恥ずかしくなるくらい過激に書いてあるが、弁護士によれば裁判所へ提出する書類は大げさに書くのが通常とのことだった。

審判申立書

第1 申立ての趣旨
1.未成年者〇〇〇〇の監護者を申立人〇〇〇〇と指定する。
2.相手方〇〇〇〇は申立人に対し、未成年者を引き渡せ。
3.手続き費用は、相手方の負担とする。

第2 申立ての理由
1.当事者等
(1)申立人と相手方は平成28年4月に婚姻し、現在申立人は〇〇に、相手方は〇〇に居住しており、別居状態にある。
(2)未成年者は申立人と相手方の間の子であり、婚姻前の平成27年〇月〇日に出生している。
2.未成年者の出生、養育状況
(1)未成年者は平成27年〇月〇日に出生して現在乳児である。
(2)未成年者は出生後から、相手方が連れ去る平成28年5月までの間、申立人が一貫して養育してきた。未成年者はまだ乳離れの出来ていない乳児であり夜間も含めて定期的に授乳する必要があり、~中略~常に体調の変化に気を付けなければならない。
(3)申立人は未成年者の出生直後から1日も欠かすことなく育児日記をつけていた。
3.未成年者の連れ去り、現在の状況
(1)相手方は平成28年5月に申立人が性交渉を拒否したという些細な理由で激怒し、翌日申立人の家を出たが、その週の土曜日、突如申立人の家に現れ申立人が連れて行かないよう泣いて懇願したにもかかわらず強引かつ一方的に未成年者を連れ去った。
(2)以降、未成年者は相手方の下にあり申立人は未成年者に会う事が出来ていない。
(3)申立人は相手方に対しLINEのメッセージで再三にわたり未成年者を返すように求め、連れ去り3日後には相手方と未成年者の住む家に行き、面と向かって未成年者を引き渡すように求めたが、相手方はこれを拒否した。しかも、反対に「新しいママを探します」とか、養育費の支払いや最低1億円の慰謝料など法外な要求をつきつけてくる状況であり、理性的な話し合いは到底不可能な状況である。
4.未成年者の監護者を申立人に指定するのが相当であること
(1)申立人は未成年者の母親であり、父親である相手方に比べて未成年者の養育に適している。それに加え未成年者はいまだ乳児であり、夜間も定期的に授乳するなど片時も目を離さず養育しなければならず、母親である申立人が監護するのがふさわしい。これまでの養育状況も何の問題もなく、申立人の養育能力は充分である。
(2)未成年者は現在相手方の下にあるものの、連れ去りから間がなく、したがって、現在未成年者が相手方の下にあることは、申立人を監護者に指定することを妨げる事情にはならない。
(3)相手方は、申立人の下から強引かつ一方的に未成年者を連れ去っており、以降、申立人が未成年者を返すように求めてもこれを拒否し、反対に法外な要求を突きつけるなどしている。このような相手方の言動は未成年者の監護者として全くふさわしくない。
(4)申立人は、未成年者の監護者に指定された場合、相手方が再度未成年者を連れ去ることがない等の環境が整備されれば、相手方と未成年者との面会交流に応じる意向を有している。
(5)最後に、自ら経営するクリニックや勤務する病院の業務があり未成年者を養育する時間もないと思われ、片時も目を離すことのできない乳児である未成年者の養育能力に乏しいと言わざるを得ない。~中略~相手方は、「新しいママを探します」と述べているが、婚姻関係にあり実母である申立人を拒絶して、他の女性に未成年者を養育させるなど常軌を逸していると言わざるを得ず、従って、相手方に未成年者の監護さの適格があるとは認められない。
(6)以上の各事情によれば、申立人を未成年者の監護者と指定するのが相当である。
5.相手方が申立人に対し、未成年者を引き渡すのが相当であること
上記「4」で挙げた、申立人が未成年者の母親であること、未成年者が乳児であり定期的な授乳の必要があること、相手方が未成年者を強引かつ一方的に連れ去ったこと、申立人が相手方と未成年者との面会交流に応じる意向を有していること、相手方に未成年者の養育能力に乏しく、相手方において未成年者の養育環境も整っていないこと等の各事情に鑑みれば、相手方が申立人に対し、未成年者を引き渡すのが相当である。
6.結語
よって、申立人は上記申立ての趣旨記載のとおりの審判を申し立てる次第である。

添付資料)
・戸籍抄本
・陳述書
・育児日記
・LINEメッセージ
・写真

審判前の保全処分申立書

第1 申立ての趣旨
1.平成28年〇月〇日付御庁別紙当事者目録記載の当事者間における子の監護に関する処分申立事件の審判確定に至るまでの間、未成年者の監護者を申立人に仮に指定する。
2.相手方は、申立人に対し、平成28年〇月〇日付御庁別紙当事者目録記載の当事者間における子の監護に関する処分申立事件の審判確定に至るまでの間未成年者を仮に引き渡せ。
との裁判を求める。

第2 申立の理由
1.当事者等
2.未成年者の出生、養育状況
3.未成年者の連れ去り、現在の状況
4.本案審判事件の係属
申立人・相手方の間には、平成28年〇月〇日付御庁別紙当事者目録委細の当事者間における子の監護に関する処分申立事件が係属している。
5.保全の必要性
(1)~(3)は審判申立書の第2の4.の(5)、5.の一部と同じ。
6.未成年者の監護者を申立人に指定するのが相当であること(本案審判認容の蓋然性)
(1)~(5)は審判申立書の第2の4の(1)~(4)、5.の一部と同じ
(6)以上の各事情によれば、申立人を未成年者の監護者と指定するのが相当であり、本案審判の認容される蓋然性が優に認められる。
7.相手方が申立人に対し、未成年者を引き渡すのが相当であること(本案審判認容の蓋然性)
(1)審判申立書の第2の5と同じ。
(2)以上によれば、本案審判の認容される蓋然性が優に認められる。
8.結語
よって、申立人は上記申立ての趣旨記載のとおり審判前の保全処分を申し立てる次第である。

以上

交渉決裂

住民票の移動に失敗した旦那からのファックスが代理人へ届いた。
義父に相談し纏めた内容であると推測できた。

簡単に纏めると以下の通りであった。
・母親の自宅は監護の場として相応しくないため、父親の自宅へ移動しただけとのことで、この件に関してお互いに納得の上である。
・母親の養育を拒否するものではない。
・子の住所変更に協力すべきで、応じない場合は法的手段を講じる。
・母親として自分勝手で不適格な言動、配偶者として不適格な言動や配偶者への事実無根の中傷を両家両親を交えて謝罪し撤回を求める
・母親、配偶者として不適格な言動を今後一度でも繰り返した場合は、父親は子供の保護者として、子供の人生を守るために母親から子供の隔離措置を行う

条件として提示されていた慰謝料1億円や、戸籍を抜く話が消えていた。流石に常識的に頓珍漢な話をしていると気づいたのだろうか。離婚話までなくなり、円満解決を求めているではないか。

唖然( ; ゜Д゜)なんだとー

しかも相変わらず支配的な関係を継続したいらしい。
どうせまた盗聴してでも私の監視を続けるのだろう。これはまるで共謀罪を施行する安倍政権ではないか。考えただけでも刑罰が下るのである。
私は戦えるが、巻き込まれる子供はたまったもんじゃない。

更に、旦那より私宛の手紙が届いた。
内容は、
僕はこんなにも頑張っているのに、認めてくれない、
大事にしてくれないから大いに傷付いたんだ。

と言ったところだろうか。

お前は、碇シンジか!
大の大人が、呆れるわ。。

子供が戻ってくる気配はなかった。
最初から交渉がすんなり行くとは思っていなかったので、着々と準備を進めるのだった。

旦那の焦り

連れ去りから1週間、弁護士が引き受けてくれた事により、着々と話が進み始めた。

相談した直後の週明けに、更に話を詳しく聞くために弁護士との面談が行われた。心配した実父と実母が田舎から出て来てくれて、弁護士に挨拶をし、一緒にこれからの裁判の流れを確認していた。詳しくは、「子供がつれさられたら」、を参照にされたし。
両親がこちらへ出てきている間は、一緒にホテルで過ごした。旦那が自宅へ来るのではとの恐怖心と1人戦かう日々だったので、とても安心して過ごせた。親とは誠に有難い存在であると実感した。

受任して直ぐに旦那へ「受任の連絡」が送付された。
任意の引き渡しの意向がなければ、裁判所へ監護者の指定と子の引き渡しの審判と保全処分を申し立てる旨の通知を行った。


私が代理人を立てたことで、焦った旦那から連絡が入った。

~ラインでのやりとり(原文ママ)~
旦那 : 日曜なのに◯◯ちゃんに会いたくないの?
(子供の動画の添付あり)

私 : 会いたいよ

旦那 : それだけ?
会いたいけど、わざわざ会いに行くほどでもない?
競馬場に行く方がいい?

私 : 会いたいです。
会うために頑張ってます。

旦那 : じゃあ会いに来たら?
◯◯ちゃんのオモチャ持ってきてくれたら喜びます。

少し時間が空いて
旦那 : 日曜なのにママ会いにきてくれないなんて◯◯ちゃん可哀想
必要な荷物だけ取りに行くわ
(この時、既に旦那が私の自宅にいることを監視カメラで確認している)

私 : 何が必要?
持っていくか、送ります。

旦那 : 子供に会いたいでしょう?
向かってます。

私 : 今はいません。
何時ごろになりますか?

何の用ですか?
◯◯ちゃんには、私から会いに行きますから。
ここへは来ないでください
~~~~~

この時、私は兄妹と一緒におり、今後の資金調達のために使ってない車の売却を検討している最中だった。
私の了承無しに部屋へ来ないでくれと通達したばかりなのに、その通達は意図も簡単に無視された。
自宅に私が居ないと分かると、今度は電話を掛けてきた。監視カメラでその様子を視ていた私は、パニックに陥り、手がぶるぶる震え、動悸と吐き気がしていた。家に居ないからと説明すると、「何処にいるんだ。そこへ向かうから。」と、執拗に会うことを求めてきた。
どこまでもしつこく追いかけてくる旦那は、恐怖でしかなかった。放っておくと、1日100通のメールが入ったり、一晩中家の前に籠城したりする人なのである。
困り果て弁護士に電話で相談した。旦那の自宅で兄妹も一緒で子供に会うだけなら、と言う事で旦那に応じることにした。
このやり取りの間も、ずっと旦那の行動を監視カメラで確認していたが、挑発的なラインで私を誘き寄せようとする思惑とは反対に、居場所を確認する私の問いかけを上手くかわす旦那の器用さに、卑怯さとズル賢さを感じていた。

そして旦那の自宅へ向かった。
子供と暫く遊んで帰りかけた時、旦那が子供の住民票を移してくれと言い始めた。
「子供に会うだけの約束だったじゃないか。交渉は代理人を通してくれ。」、と断る私に、旦那は全くお構い無しで、「明日一緒に区役所へ行って貰う。」、と腕を掴んで離さなかった。
こうなると、もう恐怖は最大級である。
何故か旦那の父親と話してくれと電話を渡されたが、拒否して逃げ回った。
見兼ねた兄妹が私を車まで逃がしてくれて、旦那をなだめてくれた。暫く押し問答が続いたが、渋々旦那が諦め、自宅に戻れる事となった。

裁判沙汰になる前に実力行使してでも子供を自分のもとへ取り込みたかったのだろう。
この事件により旦那への恐怖心はマックスに達した。

弁護士を探す

弁護士など一般人には縁のない話である。どこで探すのかすら分からない。
当時は不安に駆られながらも必死で弁護士を探した。
簡単ではあるが、どうやって弁護士を探したか、以下に紹介する。

1. 法律相談の場

  • 各弁護士会
  • 役所での無料法律相談会
  • 法テラスでの無料相談会
  • インターネットを駆使して探す
  • 知り合いからの紹介

2. 相談料

相談料は、それぞれのホームページに明記されていることが多い。私の調べた限りでは、30分5000円、超過料金15分2500円が相場であった。
知り合いからの紹介が一番料金が不明ではないだろうか。私の場合は、紹介と言う事もあり相談料は無料だった。

3. 相談日までにしておくこと

相談時間は基本30分のため、予め相談内容を纏めておくとよい。
・自分と旦那の簡単な経歴と家族構成
・これまでの経緯
・養育の状況
・生活環境(保育園での様子など)
・現状と今後について
私は上記以外に子供を人質としている証拠のラインもプリントして持っていった。

4. 弁護士をどうやって決めたか

紹介で探せるなら、それが一番いいだろう。良心的な金額で引き受けて貰えるだろうし、下手な仕事はしないと思うからだ。一番身近なのは、職場の社長ではないだろうか。会社には顧問弁護士がいるので、そのつてで探せばどこかしらへ繋がると思われる。実際に私も社長のコネで紹介してもらったが、自分の意見が纏まっていなかったため、コテンパンにやられて撃沈し、苦い思い出となってしまった。依頼される方も依頼主に迷いがあれば戦えない。ぜひ、相談日までにしておくこと、をまとめ上げてから相談しに行って欲しい。私は、そのお陰で、必死に自分の意志を纏め上げ、次の相談で着任してもらえることとなった。

紹介された弁護士に撃沈した私は、弁護士会の相談会に予約した。土曜日の午前中に東弁、午後に二弁の相談予約を入れた。女性相談は曜日が決まっているため、土曜日にまとめたかったからだ。

自分に合う弁護士に巡り会えるのは奇跡に近いと思う。私の場合は、弁護士会の相談会で若手の熱血先生が、こりゃ事件だとばかりにそのまま乗り気になり引き受ける形となってしまった。紹介だとベテラン弁護士に巡り会えるが、相談会の先生は仕事探しで来る若手弁護士が多いのではないだろうか。この点は私も多いに気になった。弁護士は経験がものを言う仕事だからだ。しかも旦那の方は、知り合い伝手のベテラン先生を寄越してきた。
依頼してて思うのだが、弁護士は仕事をしているだけであり、それ以上でもそれ以下でもないと言う事である。夫婦間の問題は、男性弁護士では分かり合えない感情も多かった。結局、弁護士は法的な知識と交渉における引き際、そして裁判上の手続きに必要なだけで、大切なのは主体性であると割り切って考えると良いと思う。

子の連れ去り~自力交渉~

子供と引き離されてから必死の交渉を続けた。

連れ去り後1日目

~旦那からのライン抜粋~

 残念ながら、ママが居なくても、

 おっぱいがなくてもこの子は何の問題もないです。

 売女の娘として育たないように、

 隔離したまでです。

 新しいママを探します。

~~~~~~

 どうやら盗聴した時の電話の内容に怒っている様子。

勝手に盗聴しておいて、謝る意味が分からないが、子どもを返してもらいたいため、必死に謝罪した。

相手を否定せずにひたすら謝りながら、自分の考えも伝えた。

 

セックス観について説教を受けた。

~旦那からのライン抜粋~

  セックスは目的や結果じゃなくて、手段だよ。

  お互いを労り、知り、解り合って愛を深めるための。

  「アイズワイドシャット」のDVDを今夜にでも観てください。

  男女の間にどんな秘密や不信感があったとしても、

  ファックしてお互いを確かめ合いなさい。

  それがキューブリックから人類への最後のメッセージ。

  僕は、警告した。

  セックスを拒否したらすべてを失うよって。

  僕はずっと先のことまでちゃんと計算して言っていることなのにね。

  僕はそれくらい賢い人間なのに、

  僕を見くびった君の過ちだよ。

  子供を失ったのは。

  でも良かったじゃん、

  何もかも全て失った訳じゃない。

  君には残りの人生がある。

  少しのお金と、仕事がある。

  子宮も卵巣もある。

  良かったね、お幸せに。

~~~~~~ 

警告って何だよ!

私は絶対に奴隷にはならない。

そもそも信頼感がない上での婚姻関係なのに、そのやり方は更なる不信を招く。

私の心は強制されたセックスでは解けない。

人の心をなんと思っているのか。

子供まで犠牲にするなんて。

本当に賢い人間のすることなのか。

そう思いながらも、気持ちを理解出来なかった事を謝罪し、今夜映画を観る事を伝えた。

もちろん映画など観る気も起きるはずなかった。

 

連れ去り後2日目

 

離婚に応じるので書類を送ってほしい旨を伝え、子供を早く戻すように依頼した。

子供に負担をかけずに夫婦間の問題は解決しましょうと提案するも、子の無事の確認に対しての返答はあったが、それ以外の返答なかった。

義父と子供が写っている写真を添付され、実家へ連れて行ったのかと思い動揺したが、良く見たら旦那の自宅なので少しホッとした。

 

この日、弁護士に相談した。

 

連れ去り後3日目

 

生まれて数か月の赤ちゃんを母の元へ返すように再度お願いした。

 

 それに対して以下の返答があった。

~旦那からのライン抜粋~

  君にあって僕に無いものは?

  「おっぱい」だけでしょう?

  そして、君は子を保育園に預けることで、

  君にあって僕に無いおっぱいの絶対必要性を、

  否定したんだよ。

  そして、君はさっき言ったね。

  僕が居なくても、日常を生活するだけ、と。

  そういうことです。

  おっぱいの必要性さえ否定されたら、

  〇〇ちゃんに必要なのは、

  僕でも君でも構わないんだよ。

  それを母親だから、父親だから云々というなら、

  セクハラだし、女尊男卑に他ならないでしょう?

  理論的に考えたらわかるでしょう。

  自分がさっきの回答で墓穴を掘ったことに気づきました?

  君は自分自身で、〇〇ちゃんに二人の親が必要であることを否定したんだよ。

  僕は僕を愛してくれない、僕を尊敬せずにバカにして否定する人とは一緒に居られません。

  どちらが〇〇ちゃんの親として相応しいか明らかだよね。

  感情よりも論理的。

  怒るのも無視するのも、戦略的でわざとやっていること。

  娘と自分の幸せを守るためにね。

  おっぱい有無以外、父子家庭も母子家庭も何も変わらないのに。

  論理科学的に論破してごらんよ。

  僕より君が親として相応しいって。

  論破出来たら、ちゃんと君に預けるから。

~~~~~~

少し突破口が見えた気がした。

どうすれば旦那を納得させられるか色々考えた。

 

まず、依存した結婚は共倒れになる可能性があり危険であること、依存で愛を深めたくないこと、自立した2人が協力し合うのが結婚生活であることを丁寧に説明した。

 

愛などない婚姻と分かっているはずなのに今更何を言っているのか?

尊敬されたければ、尊敬される人間になればいいだけなのに何を言っているのか?

そもそも盗聴しておいて、悪口(他人からの評価)に激怒するのはいかがなものかと。

自分に自信があるなら他人からの評価なんて気にしなければいいのに。

突っ込みどころ満載だが我慢した。

 

しかしながら、旦那のおっぱいへの嫉妬は果てしない。

おっぱい以外に性差が無いと本当に思っているのだろうか?

子供への負担も考えられずに自己主張ばかりする、こんな医者には絶対に診てもらいたくないものだと思った。

 

このラインの後に自力救済すべく、旦那の自宅へ向かった。

心配した兄妹が付いてきてくれたはいいが、私の連れ戻し作戦をこのやり方は間違っていると止めてしまい、敢え無く失敗してしまった。

そして引き渡しの条件を提示された。

  1.   私の自宅を引き払う
  2. 保育園の退園
  3. 私の籍から子供を抜く

こんな交渉を受け入れられるはずがない。

子供を籍から外して韓国籍にでも入れようというのか?

日本にしか住まないのに?

一体何を考えているのか?

自力交渉の限界を感じ始めた。

 

この時、子供におっぱいを与えた。

子供は普通に吸い付いてきた。

しかし、それも旦那の激昂により中断させられてしまった。

これが最後の授乳となった。

 

連れ去り後4日目

 

旦那の職場へ連れていかれて、ベビーベッドの上で過ごす子供の写真が送られてきた。

 

子供を病院の診察室に置くなんて信じられない!

せめて保育園や託児所に預けて欲しい。

そう思うが、旦那を否定して、また感情的になり頑なになられても困るので、感謝し、誉めて育児の注意点を伝えた。

 

この日、弁護士と面談をした。

壊された家電の修理をした。

 

連れ去り後5日目

 

離婚交渉を進めた。

 

慰謝料は最低1億円。

養育費は、私が毎月払えるだけの金額で良いとのこと。

 

この提示を受け、自力交渉を諦め、子供の安否確認と育児の注意点をラインするのみとなった。

しかし、そばに居られない辛さから写真を見るのもストレスになり、その確認すら徐々に遠退いていくのだった。